石垣島から与那国島への交通手段はおもに2つ
なるほど、安く行きたいならフェリーに乗れば良いのかとお思いかもしれませんが、実は重大なデメリットがあります。
それはフェリーがとんでもなく揺れること。「日本一のゲロ船」と呼ばれるぐらい揺れるし酔うらしい。
私は事前にちゃんと酔い止めを飲んで万全の対策を講じました。
窓口でチケットを購入すると、乗船券と怪しい袋を渡された。
この袋は何に使うんだろうとすっとぼけつつ乗船するとさらなる設備が乗客を待ち構えていました。
さすがは日本一のゲロ船。
万全の嘔吐受け入れ体制でお客様の嘔吐をお待ちしております と言わんばかりの充実っぷり。
実際、なかなかの揺れっぷりでした。
乗船から1時間を過ぎたあたりがピークでこのときは酔い止めがまだ効いていなかったのか吐き気に襲われて座席のリクライニングをマックスにして寝ることでなんとかやり過ごしました。
しかしトイレからは絵に書いたような「オエーーーーー」の声が何度か聞こえてきました。
私が小便をしにトイレのスライドドアを開けると足元でうずくまっている一人の男性。この方があの声の正体だと思われます。完全にKOでした。
そうこうしているうちに与那国島が見えてきました。
与那国島の海岸は崖になっている部分が多くて、海から眺めると本当に絶景でした。
この景色は飛行機からじゃ見えないので船酔いしてでも見る価値あるかもしれません。
ちなみにあの灯台のあたりが日本最西端の碑がある西崎という場所です。
港には外から回り込んで入るのでもしかしたら日本最西端より西にいるタイミングもあったかもしれません。
このフェリーは人生で一度は乗りたい、二度と乗りたくないフェリーでした。
与那国島に到着したのが14時半ごろ。
今後のスケジュール
久部良バリとはこのような岩の割れ目のことです。
その昔琉球王国が離島に厳しい人頭税をしいていた時期があったそう。人口が増えると税も重くなるので与那国の女性が妊娠するとこの岩の上を跳ばせて子どもを産みすぎないようにしていたという悲惨な歴史もあったそうです。
この写真は久部良バリから少し移動した場所から撮影したものですが、久部良バリからも同じような景色を見ることができました。
かつての悲惨な出来事が刻まれた場所ですが、こうして景勝地として楽しむことができるのはとてもありがたいことだと感じました。
晩ごはんにはカジキの中味味噌炒めの定食セットを注文しました。
中味とは内臓のことらしいと後で知りました。
美味しかったですが私はあまり内蔵が得意ではないので別のメニューにしたほうがもっと楽しめたかもしれません。
しかし、与那国はカジキで有名なのでここでしか食べられないものとして良い選択だったような気がします。
食堂に17時過ぎに訪問したところ、テーブルは予約ですべて埋まっていて、なんとか1席を作っていただいて食事にありつけました。
都会と違って飲食店に気軽に入れないですね。
与那国には野生の猫が多く、晩ごはんを食べた食堂にも入口で野良猫が餌をくれとアピールしていました。
あまりに当然の態度でそこにいたので店員さんに「飼っているんですか?」と聞くと、野良猫だと教えてくれました。
では、日本最西端の地、西崎に向かいます。
「いりざき」と読みます。沖縄の方言で西のことを「イリ」と言います。東のことは「アガリ」と言います。
日が入るか上がるかという話です。
そんな日の「イリ」を見るべく西崎に向かいました。
日本の東西南北端のうち、民間人が気軽に立ち入れるのは唯一与那国島だけだと思います。
日の入りの瞬間を見ようかなと思ったのですが、雲が多くて完全に日没するところが見づらいというのとちょっと寒かったということで諦めました。
訪問したのは1月下旬ですが、最高気温が16度ぐらいと沖縄にしてはかなり寒かったと思います。
帰っている途中に馬が放牧されているのを見つけました。
注意しながら近づいてみました。
この馬たちは与那国馬という品種らしいです。
道に普通に馬が歩いている光景、なかなか見れないですよね。
最西端っぽい掲示物がありました。
掲示物の内容を要約すると、ここが日本の端っこなので万が一土地を削ってしまうと領海や排他的経済水域が削れてしまって日本の損失となるので、土地を削る可能性がある行為を行うときは国土交通省の許可が必要だということです。
今日の観光はこれで終わり。
明日は自転車で与那国島の東側を冒険したいと思います。